旅人教師@アジ亜太郎

道があるなら陸路で行こう。 ~貧乏人の一人旅~

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1990年代インド3 一人旅 ~インディラガンディー空港~

 10時間前にいた、のんびり雰囲気の関空。きれいでくつろぎある空間の国際線ロビー。

その余韻も消えぬ、今。

 

 俺は予想もしていなかったが、インディラガンディー空港はすべてが違った。

 

ぬわんじゃこりゃ~~!

 外からフェンスにしがみつき、到着した飛行機から降りてくる客を、険しい表情で見定める、インドインドインド人。フェンスの外にいったら、今にも飛びかかって来そうな血眼でじ~~っと見つめてくる。インドインドインド人。

 

 はっきり言って怖いわ。

 

 今降りた飛行機に、まじで一瞬戻れんもんか、と思った。

 圧倒される。

 人の持ってる「圧」が強い。

 

 日本で、これだけ人を食い入るように見る機会があるだろうか。めちゃめちゃファンの芸能人に会ったとき? すっげー珍しい光景を見たとき? 命の危険が迫っているとき?今は、そのどれでもないのに。ただ飛行機から人が降りてきただけやん。そない珍しないやん。自分の知り合いを探すわけでもないのに、人に対するこの強い興味。ほんま、フェンスしがみつきインド人。インパクトパーフェクト。日本人にない感覚だ。

 

飛行機が到着したのは23時過ぎ。

インドの現地時間では、もうすぐ深夜0時になる。0時前にも関わらず、強烈な「圧」プレゼントにより、時間も眠気も頭にはない。

深夜の空港、このまま空港の中でステイした方がいいと思っていたのに、わんさわんさの人だかりに押され、どこまで空港内かもわからぬまま、そのまま強引に空港の外にほうりだされることになった。

きつ……。

 

現地のお金が無いと困るので、わんさわんさの人だかりの中、小さな屋台のような銀行で1万円を両替した。

この銀行がまた怪しいもんで。いくつかのしょぼい作りの両替銀行が屋台を並べるように、何件か並んでいた。

しかも!

小さな窓から顔をだした、ばりばり日焼けした顔&七三頭のインドおっさんが、必死に手招きしてくるという怪しさのオプションサービス付き。

もーえーってー。

必死に呼んでくるってことは、レート悪い換金なんやろ。そんなすぐわかるような必死の手招きだが、とりあえずの生活費を両替した。そして、もどってきた大量の紙幣。3520Rs.レート的にはこんなもんか。

しかし!

両替しても、札束を少なめに渡されることもあるので、七三頭インドおっさんの前で、一枚ずつ勘定した。まあ、お金は間違ってないな。

紙幣が本物か偽札か

このときはそこまであまり考えなかったが、入国したばかりの国のお金を手にすると、「これほんまのお金なんかなあ」、と思うようになった。初めて見る通貨や紙幣が、偽札か本物かの見分けは簡単にできん。幸い今まで偽札をつかまされたことはないが、闇タクの両替屋なんかで換金したり、国境付近の両替屋では警戒も必要だ。

 

「おっちゃん、レシートちょうだい。」

「ノー。」

「いや、両替のレシートくれよ。」

「ノーノー。もー向こう行け。」

俺の声届かず、次の客に掘り出された。

 

「おい、これからのインド生活で、換金レシートいんねん!」

インドでは、どこでその金を手に入れたんだい?の証明として、換金レシートがいる。ないと、電車の切符などが買えない可能性もある。

残念ながら、レシートをくれるような両替屋ではなかったようだ。雑に扱われた俺。手には、バサッと渡された紙幣の束だった。

 

空港の外にほうり出される直前、何人かの日本の旅人と出会う。

みんな、この夜中のデリーをぶちぬけて、宿をとりに行こうと思っているようだった。

早稲田や慶応の標準語ボーイたちだ。とりあえず、初めての土地、まとまる方がいいか、と思いつれになった。

しかし、グループはすぐにはぐれた……。空港が人でギューギューになっているのだ。しかし、はぐれてもすぐに別の日本人が声をかけてくる。

仲間に入れてくれ、と言ってきたので、再び今度は、4人のグループになった。

一人旅。

一人旅ちゃうやん?

これも一人旅なんだよ。

 

ものすごい数でひしめき合う目の前のインド人らを見てたら、一人なんて言ってられないんだよ。

4人グループのうちの一人に、眼鏡の男がいた。

この眼鏡男。

手に「地ある」を必死に握りしめている。

俺もびびってるが、こいつはこの雰囲気に、マジびびっている。

まるで目の前に、命を狙う集団でも現れたかのようなびびり方だ。

「おい、もっと仲間を探すぞ! みんなあとのことも考えて動けよ!」

 

おまえは、悟空か!

なに旅の仲間集めしとんねん!

とつっこみながら、

おまえは、何、俺の旅をしきってくれとんねん!と嫌気も沸き、この4人グループも3分程度で解散を迎えることになった。

「俺、一人でこっち行くから。じゃあな。」

と言って、俺は一人で行動することに決めた。

 すると、そのとき、そこにいた宮原くんという青年が、「俺もそっちついていっていいかな?」と聞いてきたので、一緒に行動することになった。

 

2対2に別れた。

「とりあえず仲間を増やすぞ組」対「人増やしてもしゃあないから先にいこか組」だ。

 

 空港の外で宮原くんと、これからどうしよっかー会議や、インドやべ~よなあ会議を開いていた。

会議の途中も、いろいろなインド人に寄りつかれた。

なかでも、おいおい、だったのは、警察だった。

 警察は国家権力、外国人ツーリストとして目立つ動きはしたくない。しおらしく、というわけでもないが、つけこんでくる者も中にはいる。警察が声をかけてきた。

 

警察もか。

警察も日本人の俺らの持っているものを見定め、

自分の気に入った物があれば、

これをくれ、と言って来ることがある。

俺たちは、とりあえず、その場しのぎに警察のおねだりも聞いてあげた。

 

インド人の猛攻撃をしのぎ続け、

宮原君とタクシーに乗ることにした。

こんな深夜に空港を離れるとは。。

不安たっぷり。期待ほんのちょっと。

 

さぁ、出発や。。

 

行き先は、

そう、コンノートプレイスだ!

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